1、募集設立については64条2項から、払込取扱機関は不返還合意について設立後の会社に対抗できない。
2、発起設立はその旨の規定がないことから問題となる。
イ、これについて無効とする考えもあるが、そうすると設立後の会社や、会社債権者が引き出しを請求できない。仮装払込の場合は、株主間の公平よりも、会社財産の充実・会社債権者の保護を重視すべきであるから、この結論は不当である。
ロ、会社財産の充実は法が要求しているところであるから、それを潜脱する当該約束を理由として払戻しを拒絶することは信義則に反すると解する。よって会社は振込取扱機関に払戻を請求できるし、会社債権者も当該請求権を債権者代位権により行使することができる。