刑法400問目(予備)
次の事例に関し、下の記述は正しいといえるか。
【事例】
甲は、内縁の妻Aと同居していたところ、遊興費に窮し、A所有のドレス20着及び指輪1個と、A管理のA名義のクレジットカード1枚(その規約上、会員である名義人のみが利用でき、他人への譲渡、貸与等が禁じられ、また、加盟店は、利用者が会員本人であることを善良な管理者の注意義務をもって確認することが定められている。)を、Aの部屋から盗み出した。甲は、丙にドレス及び指輪の売却を仲介してもらおうと考え、これらの盗品を丙方に運ぼうとした。しかし、甲は、ドレスの数が多く一人で運ぶのが困難であったため、乙に対し、ドレスと指輪が盗品であることを話した上で、丙宅への運搬を手伝ってほしいと頼んだ。乙がこれを了解したので、甲及び乙は、指輪とドレスのうち10着を甲が、残りのドレス10着を乙が、それぞれ運転する自動車に載せて丙宅へ運ぶこととし、これらの盗品を丙宅へ運んだ。丙は、ドレス及び指輪を、甲がAから盗んできたものであることを承知した上で甲から預かり、甲からの依頼どおりに売却先を探すこととしたが、指輪についてはAが母親の形見として大切にしていたものであることを知っていたことから、高値でAに売り付けようと考え、後日、Aに対し、代金50万円で指輪を売却し、その売却代金を甲に渡した。また、甲は、Aから盗んだクレジットカードを担保として丁から現金30万円を借りたが、その際、丁に対し、「これはA名義のクレジットカードだけど、Aから使用を許されており、お前がこのカードを利用して買物をしても、その利用代金はAにおいて決済される。」と伝えた。その後、甲が丁に対して金を返さなかったことから、丁は、甲の話を信じ、デパートにおいて、Aに成り済まして同カードを用いて腕時計1個を購入した。
丙がAを相手方として指輪の売却をあっせんしたことにつき、Aは窃盗の被害者であるが、丙には盗品等処分あっせん罪が成立する。
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