平成29年(刑法)

予備試験【短答】過去問|刑法平成29年第5問|解説番号422

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刑法422問目(予備)

問題

次の事例に関し、判例の立場から下の記述が正しいといえるか。

【事例】
土木作業員甲及び乙は、現場監督者丙の監督の下で、X川に架かる鉄橋の橋脚を特殊なA鋼材を用いて補強する工事に従事していたが、作業に手間取り、工期が迫ってきたことから、甲及び乙の2人で相談した上で、より短期間で作業を終えることができる強度の弱いB鋼材を用いた補強工事を共同して行った。その結果、工期内に工事を終えることはできたものの、その後発生した豪雨の際、A鋼材ではなくB鋼材を用いたことによる強度不足のために前記橋脚が崩落し、たまたま前記鉄橋上を走行していたV1運転のトラックがX川に転落し、V1が死亡した。なお、甲及び乙は同等の立場にあり、甲及び乙のいずれについても、B鋼材を工事に用いた場合に強度不足のために前記橋脚が崩落することを予見していなかったものの、その予見可能性があったものとする。


丙は、甲及び乙が強度の弱いB鋼材で補強工事を行っていることを認識していたが、工期が迫っていたことから、これを黙認したという場合、直接行為者である甲及び乙に過失が認められたとしても、更に丙に過失が認められる余地がある。

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解答

解説

Bの利用を認識したにもかかわらず、黙認したのですから、「監督義務」という丙固有の注意義務に反したということができます。

参照

▼ 参考条文・判例

最判昭和28年1月23日

▼ 魔法の言葉

名言


言うことと、やることは別のものである。


~モンテーニュ~

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