平成29年(刑法)

予備試験【短答】過去問|刑法平成29年第13問|解説番号462

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刑法462問目(予備)

問題

次の事例に関し、下の記述は正しいといえるか?

【事例】甲は、覚せい剤の密売人である乙から、偽造した1万円札と引換えに覚せい剤をだまし取ろうと考え、1万円札の偽造に使用する目的で、作業部屋を自己名義で賃借した上、印刷機及び印刷用紙を購入して同部屋に運び込み、それらを使用して1万円札100枚を偽造した。(①)
その後、甲は、ホテルの部屋で乙と会い、乙に対し、100万円相当の覚せい剤(以下「本件覚せい剤」という。)の代金として、偽造した1万円札100枚を渡した。乙は、甲から渡された1万円札が偽札であることに気付かずに、甲に対し、本件覚せい剤を渡し、甲は、これを持って同部屋を出た。(②)
甲は、本件覚せい剤をホテルの駐車場に駐車中の自己の自動車内に置いたところ、甲が乙に渡した1万円札が偽札であることに気付いて追い掛けてきた乙から、本件覚せい剤を返還するように求められた。甲は、本件覚せい剤の返還を免れるため、殺意をもって乙の首を両手で絞めて乙を殺害した。(③)
その数日後、甲は、本件覚せい剤を所持しているのを警察官に現認され、覚せい剤取締法違反の現行犯人として逮捕され、A警察署に連行された。警察官丙は、A警察署の取調室において、甲の弁解録取手続を行い、甲の供述内容を弁解録取書に記載した上、同弁解録取書を甲に手渡して内容の確認を求めたところ、甲は、署名押印する前に同弁解録取書を両手で破った。(④)
甲は、同取調室から逃げ出し、A警察署の敷地外に出た。(⑤)


③について、覚せい剤は、法定の除外事由なく所持することが禁じられた物であるが、甲は、本件覚せい剤の返還を免れるために乙を殺害していることから、甲には強盗殺人罪が成立する。

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解答

解説

民法上請求が出来ない不法原因給付であっても、請求権自体は存在しますので、刑法的な保護には値します。判例もこのような場合に強盗殺人罪を認めています。

参照

▼ 参考条文・判例

裁決昭和32年1月29日

▼ 魔法の言葉

名言


あえて愚かなピエロのお面をつけるのさ。


~フランク・シナトラ~

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