平成30年(刑法)

予備試験【短答】過去問|刑法平成30年第9問|解説番号507

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刑法507問目(予備)

問題

次の事例・および会話に関し、下の記述は正しいといえるか。

【事例】
甲は、過失による自動車追突事故を偽装して保険会社から保険金を詐取することを計画し、乙に同計画を打ち明け、乙の真意に基づく同意を得た上で、自己の運転する自動車を乙が運転する自動車に追突させた。その結果、乙は軽微な傷害を負った。

【会話】
(学生A).被害者が自己の身体に対する傷害を同意した場合に傷害罪が成立するか否かにつき、私は、判例と①(a.同様の・b.異なる)立場に立っており、単に同意が存在するという事実だけではなく、その同意を得た動機、目的、身体傷害の手段、方法、損傷の部位、程度など諸般の事情を照らし合わせて、傷害罪の成否を決すべきであると考えます。乙の同意は、保険金詐取という違法な目的に利用するために得られた違法なものであり、これにより、乙に対する傷害行為の違法性が阻却されることはないので、甲には傷害罪が成立すると考えます。
(学生B).A君の見解に対しては、②(c.個人の自己決定権を重視し過ぎている・d.不可罰である詐欺の予備行為を傷害罪で処罰することになる)という批判があります。
(学生C).私は、乙の有効な同意がある限り、刑法によって保護すべき法益の侵害がないので、乙に対する傷害行為については、傷害罪の構成要件該当性を欠き、甲には傷害罪が成立しないと考えます。
(学生A).C君の見解に対しては、③(e.傷害罪の処罰根拠と合理的な関連性のない事情を考慮し過ぎている・f.死亡の結果が発生した場合に傷害致死罪が不成立となるのは不当である)と批判することが可能です。
(学生C).同意殺人罪に対応する同意傷害罪の規定がない以上、私の見解のように、同意傷害は不可罰であると解すべきです。
(学生B).しかし、④(g.同意殺人罪の法定刑に比して傷害罪の法定刑は重い・h.同意殺人罪は、殺人罪の法定刑の下限の重さが考慮されて、その減軽類型として特に設けられたものである)ので、同意傷害罪の規定がないことは理由にならないと思います。


③にはeが入る

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解答

×

解説

Cの考えによれば、本件では基本犯たる傷害罪が成立しませんから、死亡結果に対し過失傷害致死罪しか適用することができなくなります。

参照

▼ 参考条文・判例

準備中です

▼ 魔法の言葉

名言


知るは見るなり。


~ジョン・ロック~

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