刑訴139問目(予備)
次の事例における警察官の捜査活動等について、下の記述は正しいといえるか。
【事例】
H警察署司法警察員は、「平成24年3月1日午後9時、I市内にあるJ倉庫裏において、甲が乙に覚せい剤を譲り渡すという覚せい剤取引の計画がある。」旨の情報を入手した。そこで、司法警察員は、部下である司法巡査X及び司法巡査Yに対して、前記覚せい剤取引を確認した場合には甲及び乙を逮捕するように指示した。その後、司法巡査X及び司法巡査Yは、同日午後9時、前記J倉庫裏において、甲が乙にアタッシュケースを渡したのを現認したので、直ちに、甲及び乙に対する職務質問を開始した。しかし、甲は、その場から逃走し、司法巡査Xはこれを追跡したものの、見失った。これに対し、乙は、その場に留まり、司法巡査Yの求めに任意に応じて前記アタッシュケースを開披し、その中に入っていた白色粉末入りのビニール袋を司法巡査Yに渡した。そして、司法巡査Yは、乙の同意を得た上で、試薬を使用してその白色粉末が覚せい剤であることを確認したことから、同日午後9時20分、乙を覚せい剤所持の事実により現行犯逮捕した。その後、乙は、同日午後10時、司法警察員に引致された。一方、甲を捜していた司法巡査Xは、司法巡査Yから、携帯電話により、前記アタッシュケースの中には覚せい剤が入っていたことを聞いた。そして、司法巡査Xは、同日午後11時50分、I市内において、甲を発見したことから、甲を覚せい剤譲渡の事実により緊急逮捕し、司法警察員に引致した。その後、甲には、同年2月27日に同市内の宝石店において100万円相当の宝石を窃取したという窃盗の余罪があることが判明した。
(参照条文)
覚せい剤取締法
第41条の2第1項
覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
乙が所持していた覚せい剤を押収するには、差押許可状の発付を受ける必要がある。
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