平成28年(刑訴)

予備試験【短答】過去問|刑訴平成28年第23問|解説番号360

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刑訴360問目(予備)

問題

乙と共謀の上、丙を殺害したという事件で起訴された甲の公判において、「甲の指示により丙を殺害した。」旨の乙の供述のみによって、甲を有罪とすることはできるかについての以下の議論につき、Dは「甲を有罪とできる立場」だといえるか。


【会話】

学生A:この場合に問題となるのは、共犯者の自白にいわゆる補強証拠が必要か、すなわち、憲法第38条第3項、刑事訴訟法第319条第2項により、「本人の自白」を唯一の証拠として有罪とすることは許されず、補強証拠が必要とされるところ、この「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるかということですよね。

学生B:補強法則は、自由心証主義の例外ですから、条文の解釈は厳格に行うべきだと思います。

学生C:私は、自白偏重防止という観点から、本人の自白と共犯者の自白とで区別すべきではないと考えます。

学生D:私は、他に補強証拠がない場合に、自白した者が無罪となり、否認した者が有罪となるような非常識な結論を導く解釈を採ることは、許されないと思います。

学生A:自白した者が無罪となるのは、自白に補強証拠がないためであり、否認した者が有罪となるのは、共犯者の供述が信用できると判断された結果だから、別に不合理ではないでしょう。

学生B:共犯者の自白に対しては反対尋問ができるのだから、被告人本人の自白とは違いますよ。

学生C:誤判のおそれという観点からは、むしろ共犯者の自白の方が危険だということも考えるべきでしょう。

学生D:共犯者は、自己の刑事責任を免れ又は軽くするために、他人を巻き込んだり責任転嫁したりするような供述をする危険性がありますからね。

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解答

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解説

Dの最初の発言から、両者に同じ結論をもたらすべき立場だということが分かります。よって、共犯者の自白も本人の自白と同様に考えるべきで、甲を処罰することはできないことになります。

参照

▼ 参考条文・判例

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▼ 魔法の言葉

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