論文対策|民法

論文対策|民法第112問

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問題
Q、建物を他人に譲渡した者に対して、その建物の収去を請求することができるか。

▼答え

1、収去請求をするには、現実に所有する者を相手方とすべき。
2、未登記のまま第三者に譲渡した場合は、確定的に所有権を失うため、たとえその後に譲渡人名義に所有権取得の登記がされても、土地を占有していないと主張できない。
3、実際には所有していないが、自己名義の所有権取得の登記を有するに過ぎない場合も同様に義務を負わない。
4、もっとも他人の土地上の建物の所有権を取得した者が、自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合には、その登記名義を有する限り、所有権を譲渡したとしても義務を逃れることができない。
なぜなら、
①土地と建物は密接な関係にあり、建物所有権を争う関係という点で両者は物権変動における対抗要件に似た関係である。
②もし実質的所有権者を対象にすべきとなれば、土地の所有者は探求の困難を強いられるし、相手方としてもたやすく義務を免れることができてしまう。
③しかも実際に建物所有権を譲渡したのであれば、登記を移転することも困難なことではない、からである。


 

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