論文対策|民法

論文対策|民法第291問

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問題
Q、請負契約の未完成仕事部分の報酬債権を譲渡し、債務者が異議を留めぬ承諾をした後、譲渡人の債務不履行で請負契約が解除された場合、債務者は契約解除を譲受人に対抗することができるか。

▼答え

1、異議を留めぬ承諾は、承諾時に抗弁があるにも関わらず、異議を留めなかった際にその外観を信じた者を保護する制度であるから、承諾時になかった当該解除事由は失効する抗弁には含まれないとも思える。
2、しかし双務契約であれば解除の可能性が常に存在するのだから、反対給付義務が債権譲渡時に発生していたのであれば、解除に至るべき原因が既に存在していたといえる。解除に至る原因が現存するのであればその点について債務者としては異議をとどめておくべきであり、それをしなかった場合の譲受人の信頼は保護に値する。
よって反対給付義務があるにも関わらず、異議を留めない承諾をした債務者は、解除を譲受人に対抗できない。
3、もっとも上述した信頼の保護は、異議内容について知らないものの信頼だからこそ保護に値するのであり、悪意のものへ保護を与える必要はない。よって仮に譲受人が未完成仕事部分の報酬債権(=反対義務が現存する)だと知っていた場合には、解除で対抗することができる。


 

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