問題
Q,自分自身のために他人の事務を管理した場合、準事務管理という法理が認められるか。(無断でAの空家を使って商売をしたBに対して、AはBを準事務管理者として委任の規定を準用し(701条)、646条にある準事務管理者が事務の管理について受け取った物の引渡し請求として、商売による売り上げを引渡すよう請求できるか)
▼答え
1、本来利他的な行為を保護するための事務管理を、利自的な行為に準用するのはおかしいとして認めない考えもある。
2、しかしこの場合不法行為責任や不当利得責任を問えるとしても、それは本人が損害を受けた範囲に留まる。それ以上の利益が確保できるとなれば、それを目的として損賠請求されることを覚悟のうえで他人の事務に不当に干渉する者が増えることが考えられる。
よってこれを防ぐためにも準事務管理という構成で利益を保持させないようにすべきである。
これによって本人は望外の利益を得ることになるが、逆に認めなければ不当に干渉したものが望外の利益を得るのであり、上述した濫用を防ぐためにも、前者を保護すべきである。
3、以上から認められる。
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