論文対策|民事訴訟法

論文対策|民事訴訟法第237問

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問題
Q、損賠請求が認められた後に発生した後遺症による損賠を後訴で請求できるか。

▼答え

1、これについて基準時後の事由とする考えもある。しかし原因事実は基準時前に存在しているのであるから、この考えを採ることはできない。
2、このような場合は全体の損害賠償のうち、後遺症についての損賠請求を別個に、後にしているという点で、一部請求・残額請求と同様の状態である。それゆえ同じように考えることができ、当初の損賠請求権と後遺症に基づく損賠請求権は訴訟物を異にするといえるので、前訴の遮断効は及ばない。
3、これについて一部請求ではその旨の明示を要求するとの批判が考えられる。しかし一部請求の明示を要求するのは相手方の紛争解決への期待を保護するためである。この点不法行為において、後遺症が発生する可能性は常にあり、かつ相手方も予測しうるものであるから、後遺症についても紛争が解決されたという過度な期待は保護に値しない。さらに後遺症による損害について主張立証することは前訴で不可能だったのであるから、後遺症の可能性が一般的に認められる以上、これを前訴の請求から除外する趣旨が示されていたともいえる。濫用的な主張は後訴において因果関係を否定したり、信義則違反として処理することができるので、一般的に後訴での主張を遮断する必要はない。
※他の説として、期待可能性がないことから遮断されないとする説もある。
もっとも上述したように期待可能性を遮断効を調整することは不明確さを生むため、認められない。


 

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