問題
Q、一部請求について、相手方が相殺を主張した場合はどう処理するか
▼答え
特定の債権全体のうち少なくとも一定額の範囲では請求権が存在することの認定を求めているのが原告の合理的意思であり、別個の債権として判断を求めているわけではない。
よって一部請求の額から相殺額を控除するのではなく、全体額を認定し、そこに相殺をしたうえで残額を認定すべき。
もっとも相殺後の認定額が請求額を上回る場合は、処分権主義から請求額の範囲でのみ認容判決が認められる。
なおこれについて被告の受動債権指定権を害するとの反論が考えられる。
しかし民法512条にいう相殺における指定権は異なる債権間のものであり、特定の債権内のものではないから関係ない。
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