平成29年(刑法)

予備試験【短答】過去問|刑法平成29年第11問|解説番号452

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刑法452問目(予備)

問題

次の事例と会話に関し、下の記述は正しいといえるか?

【事例】
甲は、乙がVに対して暴行を加えていたところに通り掛かり、乙との間で共謀を遂げた上、乙と一緒にVに対して暴行を加えた。Vは、甲の共謀加担前後にわたる一連の暴行を加えられた際に1個の傷害を負ったが、Vの傷害が、甲の共謀加担前の乙の暴行により生じたのか、甲の共謀加担後の甲又は乙の暴行により生じたのかは、証拠上不明であった。

【会話】
学生A.私は、共犯は自己の行為と因果関係を有する結果についてのみ責任を負うという見解に立ち、後行者は、共謀加担前の先行者の暴行により生じた傷害結果には因果性を及ぼし得ないと考えます。事例の場合、甲には①(a.暴行罪・b.傷害罪)の共同正犯が成立すると考えます。事例とは異なり、Vの傷害が甲の共謀加担後の甲又は乙の暴行により生じたことが証拠上明らかな場合、甲には傷害罪の共同正犯が②(c.成立する・d.成立しない)と考えます。
学生B.A君の見解に対しては、甲に対する傷害罪の成立範囲が③(e.狭く・f.広く)なり過ぎるとの批判が可能ですね。
学生C.私は、事例の場合には、同時傷害の特例としての刑法第207条が適用され、甲は、Vの傷害結果について責任を負うと考えます。その理由の一つとして、仮に甲が乙と意思の連絡なく、Vに暴行を加えた場合に比べ、事例における甲が④(g.不利・h.有利)に扱われることになるのは不均衡であると考えられることが挙げられます。
学生B.乙には、甲の共謀加担前後にわたる一連の暴行の際にVに生じた傷害結果についての傷害罪が成立するのであり、傷害結果について責任を負う者が誰もいなくなるわけではないということは、C君の⑤(i.見解に対する批判・j.見解の根拠)となり得ますね。


③には、Eが入る

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解答

解説

Aのように考えると、因果関係がある行為にのみ罪が成立します。一方、同時傷害の特例を適用する他説では、直接の因果関係がなくとも傷害罪が成立する余地があります。よって、Aの考えの方が、傷害罪の成立する範囲が狭いといえます。

参照

▼ 参考条文・判例

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▼ 魔法の言葉

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