平成30年(刑法)

予備試験【短答】過去問|刑法平成30年第2問|解説番号471

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刑法471問目(予備)

問題

次の事案につき、以下の記述は正しいといえるか?

【事例】
甲は、バーの経営者Aから現金を強取しようと考え、12歳の長男乙に、「Aのバーに行ってお金をとってきて。覆面を付けて、『金だ。』とか言ってモデルガンを見せなさい。」と言い聞かせた。乙は、当初警察に捕まることを恐れて嫌がっていたが、結局小遣い欲しさから承諾し、甲から覆面とモデルガンを受け取った。乙は、Aのバーまで行き、甲から指示された方法に従って、覆面を付けモデルガンを拳銃のように見せ掛け、Aを脅迫してその反抗を抑圧した。さらに、乙は、自己の判断により、外から人が来ないようにするためバーの出入口ドアの鍵を掛け、Aをバーのトイレに閉じ込めた。その後、乙は、レジ内の現金を強取し、外に出ようとしたところ、トイレから脱出して乙に向かってきたAから腕をつかまれたため、これを激しく振り払った。その結果、Aは転倒して負傷した。乙は、逃走して自宅に戻り、強取した現金を全て甲に渡した。甲はその現金の中から乙に小遣いを与え、その余を生活費等に費消した。


強盗罪の間接正犯が成立する。

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解答

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解説

本件で乙には善悪の判断をする能力が備わっているといえます。よってこのような場合には道具性が失われるため、間接正犯ではなく、共同正犯が成立します。
また、強盗罪は致傷に至る危険性が高い行為類型ですので、基本的行為についての共謀が存在する場合には、致傷結果についても甲は責任を負うと解されています。

参照

▼ 参考条文・判例

最決平成13年10月25日

▼ 魔法の言葉

名言


人生は、人生を生きるものを愛す。


~マヤ・アンジェロウ~

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