平成28年(刑訴)

予備試験【短答】過去問|刑訴平成28年第22問|解説番号353

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刑訴353問目(予備)

問題

下の会話に関し、②にaが入るといえるか。


【会話】

教授:刑事訴訟法第321条第3項の「検証の結果を記載した書面」に、捜査機関が任意捜査として行う実況見分の結果を記載した書面(以下「実況見分調書」という。)が含まれるかについて、あなたはどのように考えますか。

学生:私は、実況見分調書も含まれると考えます。検証と実況見分は、①(a.いずれも弁護人の立会権が明文で認められておりb.いずれも客観的・技術的性質を有しており)虚偽が入る余地が少ないと考えるからです。

教授:次に、私人が作成した書面について、刑事訴訟法第321条第3項の準用又は類推が認められるかについて、あなたはどのように考えますか。

学生:私は、認められると考えます。ただし、私人が作成した書面全般に準用又は類推を認めるべきではなく、私は、②(a.捜査機関の実況見分に準ずるだけの客観性・業務性が認められるときはb.特別の学識経験に基づいた報告であれば)準用又は類推を認めてよいと考えています。

教授:火災原因の調査を行う会社に勤める元消防士で、通算約20年間火災原因の調査・判定に携わった経験のある私人が、燃焼実験を行ってその考察結果を報告した書面の証拠能力について、判例はどのような判断を示しましたか。

学生:判例は、③(a.刑事訴訟法第321条第3項の準用により証拠能力を有するb.刑事訴訟法第321条第3項の準用は否定されるが、同条第4項の準用により証拠能力を有する)旨の判断を示しました。

教授:では、医師が作成する診断書について、判例は、どの条文を根拠に証拠能力を認めていますか。

学生:④(a.刑事訴訟法第321条第3項b.刑事訴訟法第321条第4項)を根拠としています。

教授:また、判例によれば、酒酔い鑑識カードの化学判定欄及び被疑者の言語、動作、酒臭、外貌、態度等の外部的状態に関する各記載は、いずれも刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が認められるとされていますが、更に警察官が被疑者に質問を行い、これに対する被疑者の応答を記載した部分について、判例はどのように述べていますか。

学生:⑤(a.化学判定欄等と一体となって刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が認められるb.警察官作成の捜査報告書たる性質のものとして刑事訴訟法第321条第1項第3号により証拠能力が認められる)と述べています。

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解答

解説

検証結果記載書面は、客観的・技術的性質が強いことから、虚偽の余地が少ないと考えられ、特別の地位を与えられています。客観的・技術的性質を担保するのは「学識経験」ではなく「捜査機関の実況見分に準ずる客観性・業務性」です。

参照

▼ 参考条文・判例

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▼ 魔法の言葉

名言


せめて自分ぐらい自分を褒めて認めてあげないと自分が救われない。自分の味方になれるのは自分だけ。


~美輪明宏~

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