平成30年(刑法)

予備試験【短答】過去問|刑法平成30年第4問|解説番号480

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刑法480問目(予備)

問題

以下の事例につき、下の【見解】のどちらをとるかによって結論が変わるといえるか。

【見解】
(A説):行為者が認識していた事実と発生した事実とが、構成要件的評価として一致する限り、発生した事実についての故意が認められ、殺人罪においては、客体が「およそ人」という点で一致していれば故意が認められる。
(B説):行為者が認識していた事実と発生した事実とが、具体的に一致しない限り、発生した事実についての故意は否定され、殺人罪においては、客体が「その人」という点で一致していなければ故意は認められない。


甲は、Vを殺そうと考えてVの首を絞め、Vが動かなくなったので死亡したものと思い、Vを海岸の砂上まで運び放置したところ、Vが砂を吸引したことにより死亡した。

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解答

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解説

前者は法定的符合説、後者は具体的符合説となります。本件では、因果関係の錯誤に過ぎず、対象の同一性について錯誤がありません。よって結論は変化しないといえます。

参照

▼ 参考条文・判例

大判大正12年4月30日

▼ 魔法の言葉

名言


天空は動いても、次なる未来を教えはしない。


~カフカ~

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